食の安全確保には自衛しかない July 15, 2007
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いま中国産の食材から有害な化学物質や重金属がつぎつぎに検出されて大問題になっている。 バブル後に日本の経済がガタ落ちになったときにも基本的な生活を変えることなく暮らしてこれたのは、中国産品を大量輸入してデフレ(物価が下がる)したことが大きかったから、いまになってその清算が始まったとすると稼ぎの悪い家計から順に打撃を受けることになる。

今後とも安かろう悪かろうの食材は無くなることはなく、危険をとるかカネを多く払うかを選択することになるのは間違いない。 そもそも、食の安全の問題は20世紀に農業が工業化したことが根本的な原因である。 農薬と化学肥料を駆使して収穫量を上げてコストを下げる一方で、有害な物質を取り込むことにもなった。

今回の問題は禁止薬物などが検出されたことで大騒ぎになっているわけだが、禁止されているものは氷山の一角でしかない。 重金属は土地が汚染されているから論外としても、一部の農薬だけを危険だと思っているのはバカな話で、実際は化学肥料でさえ有害と言われている。 (このあたりの事情は『野菜学入門』にくわしい。食品成分表が改訂されるたびに野菜や果物の栄養価がどんどん落ちているという話はショッキングだった)

基本的な事情は中国産であれ国産であれ同じことなのだ。 ひどい例では外国産の食材が合法的に”国産”表示されているという(『ロウアーミドルの衝撃』。この本は他にも庶民が知っておくべき知られざる事実が書かれていてまさに衝撃的)。

世界的に食料は不足しているのだから、どう表示されていようと安いものには理由がある(高いものにも偽装が混じるが)。 要するに「食の安全」には自衛しかない。

調理によって安全性を高める方法は、『家庭でできる食品添加物・農薬を落とす方法』という本が網羅的で、一冊読めば基本的な考え方は理解できる。真剣に全部やろうとしたら面倒くさくてやってられないが、とはいえ何も下処理をしないというのは考えられなくなる。

食の工業化による汚染の問題は、長期的には遺伝子組み換え作物で解決しなくてはならない。 つまり、化学物質を投入せずに強靭に育つ作物が絶対必要だということだ。 これができて初めて人類は「豊かに食う」ことができるようになる。

遺伝子組み換えを十把一絡げに危険視するヤツは大バカであり、人類の希望(渇望といってもよい)に背を向けている。 遺伝子組み換えは自然界でも常に起こっていることで、その中からヒトに有利な作物を選択することが農業の改良の歴史だった。

理想的とは到底いえないが、21世紀前半の庶民像は、化学物質の明白な害に対してはチマチマとした自衛策でしのぎ、クリーンな遺伝子組み換え作物の普及をじっと待つ、というものになるだろう。 そうでなければ妙な病気にかかるだけの話だ。

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